高校最初の授業で教えてもらうのがこのページでも紹介する5つの文型ですが、ここで躓く人も少なくありません。SやらVやらはそもそも何を意味しているのか、どこか記号的で嫌になってしまうのですね。
まずはSVという文型です。
I live in Hamburg.
私はハンブルグに住んでいます。
SはSubjectの頭文字で主語のことです。同様にVはVerbの頭文字で動詞のことです。subjectは"主題"ですとか"科目"という意味の重要単語ですが、verbは普段使いませんから、ここで覚えておきましょう。
Brahms died in Vienna.
ブラームスはウィーンで亡くなった。
2つともSがVするという単純な文章です。場所をあらわすin Hamburgやin Viennaは修飾語という扱いで文型上は特定のふり分けをしません。
次の文型はSVCというパターンです。
Reger is lazy.
レーガーは気不精だ。
CはComplementの頭文字で補語のことです。レーガーさんの状態をあらわしているのがlazy(怠けた)という形容詞ですから、
主語 ∞ 補語
主語と補語が切っても切れない関係であるとも言えるでしょう。主語に対する補足説明をするから"補"語だったのです。なお第5文型はSVOCとなり、主語ではなく目的語を補う役目になります。このように補語は主語および目的語の状態などを補足説明するものと考えましょう。
では次。SVOというパターンです。
Beethoven used the timpani.
ベートーベンはティンパニを用いた。
OはObjectの頭文字で目的語のことです。第2文型SVCとの違いは
動詞 ∞ 目的語
SVOは動詞と目的語が密接な関係になるということでしょう。なお、objectという単語には"物体"ですとか"目標"という意味もありますので、しっくりくるネーミングだと思います。目標語ですとか対象語と置き換えても分かりやすいかもしれません。
次はSVOOというパターンです。
Beethoven left us a great fortune.
ベートーベンは大きな財産を私たちに残した。
最後に二つ続く目的語が、
目的語1 ≠ 目的語2
という関係にあることが特徴です。目的語間の関係は深くありません。動詞がそれぞれ目的語の1と2に繋がっています。
さぁこれで最後になります。SVOCというパターンです。
They called Mozart a child prodigy.
彼らはモーツアルトを神童と呼んだ。
object(目的語)の後に補語を添えてやるパターンですので、
目的語 ∞ 補語
という感じで、この文型では補語が主語ではなく、目的語と密接な関係になります。SVOOかSVOCで迷ったら、二つ並んだ名詞の関係性で判断しましょう。「モーツアルト」と「神童」は密接な関係にあるから第5文型(SVOC)、「私たち」と「大きな財産」はあまり関係ないので第4文型(SVOO)といえるのです。