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クラシックの形式

:序曲

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グルックとオペラの序曲

クリストフ=ヴィリバルト=グルックはイタリア・フランスオペラで有名な作曲家。その劇的管弦楽はプッチーニやヴェーバーなどにも影響を与えました。

Christoph Willibald Gluck
生没年 1714-1787
代表作 「オルフェとエウリディーチェ」「アルセスト」
特徴 オペラ 管弦楽

グルックは管弦楽に長け、通奏低音を廃止し、トロンボーンやコーラングレ(イングリッシュホルン)、オーボエ、フルートなどを積極的に導入し、音色のコントラストによって人物の性格などを巧みに描写しました。ベルリオーズは「グルックの楽器は語り、歌手と同時に歌い、歌手の苦悩と涙を共にする」と語りました。

ここではオペラにつきものであるグルックの序曲(オルフェとエウリディーチェから)を聴いてみましょう。

金管楽器、木管楽器、弦楽器のかけ合いが素晴らしいですね。モーツアルト生前にすでに発表されていた、まさに古典期の、クラシックの名曲です。

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序曲 Overture

よく耳にする序曲(オーバーチュア)とはどのような形式でしょう。アンドレ・オデールの「音楽の形式」から引用してみましょう。

イタリアふう序曲はゆるやかな一楽章とそれをはさむ速い二楽章からなり全体はとぎれることなく繋がっています。さきほどのグルックの序曲は冒頭部分でしたので、これに倣うとイタリアふう序曲ということになります。

ジャン・バティスト・リュリのフランスふう序曲は、ゆるやかな二楽章(グラーヴェ)が活発な一楽章をはさんでいます。グラーヴェは付点音符のリズムが支配的ですが、はさまれた活発な楽章の前後で反復されることは稀です。中間に配置された活発な一楽章はフーガふうの様式で書かれます。

ラモーは第二のグラーヴェを廃止し、冒頭のグラーヴェが属音へと発展し、早い楽章は主音へと戻ってきます。モーツアルト以降は冒頭のグラーヴェも縮小され、調性プランをソナタから借りているアレグロに関心が向けられていきます。しかし時として呈示部のものとは異なった要素を際立たせる中央部のエピソードがみられます。「ローエングリン」や「パルジファル」で知られるヴァーグナーの序曲はより構成的で、精緻に劇の雰囲気を喚起し、厳格な意味で作品そのものと一体化しています。

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参考文献

アラン・ルヴィエ 「オーケストラ
アンドレ・オデール「音楽の形式
オリヴィエ・アラン 「和声の歴史

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