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Cubase講座

:操作解説-ステップアップ-

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Cubaseとサラウンド機能

頑張り次第でプログレから交響曲まで、どのようなプロジェクトも構築していけるCubaseですが、DVDビデオ向けのDTSファイルなどは書き出せません。Cubaseも上位版は10万円近くする価格設定でしたので、何とか対応してもらいたかったところです。

steinberg社製の製品ではNuendoというソフトウェアがDTSファイルの書き出しに対応していますが、価格が25万円と気軽に手が出せません。比較的安価な製品で思いつくのはSound Forgeというソフトウェアで、こちらは5万円もあれば購入できます。しかしたかが一形式のファイル書き出しのために5万円は痛いですね。そこで、DTSファイルの書き出しはあきらめまして、Windows Media Playerなどで楽しめる5.1チャンネルサラウンドサウンドを作成することにしてみましょう。

まずはサラウンドミックスをしたいプロジェクトファイルを用意します。ファイルを開きましたら「デバイス」メニューから「VSTコネクション」を選択し、「出力」タブで「バスを追加」をクリックし、「5.1」構成を選びOKを押します。

Cubase VSTコネクションでバスを追加
先ずは、おなじみの「VSTコネクション」設定ダイアログボックスを開きましょう。
出力ポートが足りなくてもとりあえず追加しましょう。

これで準備が出来ましたので、次はミキサーを表示させます。

Cubase ミキサー
ミキサーを表示させましょう。

すでに「オーディオ01」の出力バスは5.1outを選択済みですので、小さなボックスが表示されています。同様に「オーディオ02」も設定を変更してみましょう。

上部の出力バス設定の箇所をクリックして「5.1out」を選択しましょう。するとSurround Panのアイコン(青い点が一つ入った小さなボックス)が表示されますので、ここをクリックしてみましょう。

Cubase Surround Pan
右が拡大表示されたSurround Pan。
左が出力バスを5.1outに変更したトラックのインスペクター。

インスペクターのパン設定の箇所が、通常と違い2本に変化しています。Surround PanのLRの玉を動かすと連動します。

Surround Panが開き、いつもの「左右」設定とは違った「空間的な」設定が可能になります。こういった操作には慣れていない人が殆どだと思いますが、インスペクターパン設定部分の表示が、Surround Panでの設定と連動して変化しますので、両方を参照しながら適当に設定してみましょう。試しにプロジェクトを再生すると、サウンドの位置が変化しているのが分かります。

好みのバランスに仕上がったら、後はミックスダウンしましょう。エフェクトを使用している場合は、サラウンド効果を引き出す為にルーティング編集設定を行う必要もありますが、ここでは書き出しに進みます。「ファイル」メニューの「書き出し」から「オーディオミックスダウン」を選択し、ダイアログボックスを表示させましょう。

Cubase サラウンド編集をしたファイルのオーディオミックスダウンオーディオミックスダウン書き出しダイアログボックス
2か所のみ設定すれば良いので簡単です。

左側の出力チャンネルは「5.1ch」を、ファイル形式は、対応形式WAVEAIFFになりますのでどちらかを選択し、書き出しボタンを押します。これで一応完成になりますので、Windows Media Playerなどのサラウンド再生に対応したプレイヤーでお楽しみください。また、Cubaseにはサウンドの音圧を増加させるMaximizerや、サラウンドサウンドステレオサウンドに疑似的に変換してくれるMix6to2といったプラグインエフェクトツールも用意されていますので、サウンドそのものをしっかりと作成した上で、これらのプラグインツールを効果的に使用していけば、DTSの迫力に近づくサウンドを構築していくことも可能でしょう。

※なお、一般の方がNuendoまで買う必要はないと思いますが、このページで紹介しているMix6to2など、多くのツールが中位版に当たるCubase Studioにすら搭載されていませんので、一歩進んだ編曲を行いたい人は通常版・上位版の購入をお勧めします。

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